人生がときめく片付けの魔法

「人生がときめく片付けの魔法」を2巻まとめて一気読みしちゃいました。

「こんまり」さんこと著者の近藤麻理恵さんの片付け術は「これまでの整理・整頓・収納術からすれば、かなり非常識」などと売り文句が書かれていましたが、読んだ限りは極めてオーソドックスな片付け術のように思いました。

こんまりさんの片付け手順は、次のとおり王道そのもの。

  • 持ち物を全部取り出して1か所に集める。
  • その中から必要なものと不要なものをより分け、不要なものを処分する。
  • 収納場所を決めて、収納する。

ただし手順の説明がシンプルでわかりやすく、そのため素直に実行しやすいところが評判につながっているのだと思います。「行動動線は無視して良い」と言い切り、感覚に訴える言葉だけを選んで説明しています。

実際には、「無視」というほどは無視してないんですけどね。「ひとりのものは1か所にまとめて収納する」という著者のセオリーのひとつは、そうすることで結果的に行動動線が短くなるというだけです。こうして小難しい理論を振りかざすことは徹底的に避け、あくまでも感覚的に納得しやすいシンプルなノウハウだけを書いています。

整理・収納のプロには、それぞれの個性に応じて得意分野があるものです。たいていは収納方法に個性を発揮するものですが、この著者の得意分野は「捨てること」。「ときめくモノだけを残しましょう」と呪文を唱え続けて、持ち物の処分に迷いのある人の背中を押してくれます。言っていることは「断捨離」と大差ないのですが、残す基準を「ときめき」とし、「ときめなかくなったらきちんと処分することこそが、そのモノへの本当の敬意」と説くことで、処分する人の気持ちを軽くしてくれます。ここがうまいんですよね。

1巻目は「いかに捨てるか」、2巻目は「どのように収納するか」に的をしぼって書かれています。2巻目に服のたたみ方で多少イラストが登場する以外は、基本的にすべてテキスト。読み物として、楽しく読めました。ただし、ことあるごとに風水の話を持ち出されるところが、自分にはどうしても鼻につきます。

この著者の場合、理論から収納を組み立てることをせず、自らの経験則から得たノウハウのみで収納を設計していますから、そのノウハウに理論を後付けしようとして風水が出てきちゃってる感じ。だから特に2巻目で、風水の話が多いようです。無理に風水なぞ引き合いに出さなくても、単なる経験則というだけで十分だと思うのですが。そういうのが気にならない人には、最初から最後まで楽しく読める本だと思います。そういうのが苦手な自分にも、考え方の参考になる部分は多々ありました。

ふだんテレビをまったく見ないので知りませんでしたが、ドラマも作られていたんですね。

人生がときめく片付けの魔法(日本テレビ)

人生がときめく片付けの魔法(日本テレビ)

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