書店で「健康・ダイエット」のコーナーに平積みされていて、タイトルがセンセーショナルだったので思わず読んでしまいました。
想像していたものとは、微妙に著者の選択が違っていました。
末期医療の中で「無理な手術による苦しい延命より、生活の質を選択する」という内容かと思っていたのですが、少し違いました。おそらくご本人は、そういう選択をしたつもりでいたのだと思います。でも実際には、まだ治療の余地がある状態で、きちんと調べたり医師と相談することなく、すべての治療を拒否しただけ。
残念だなぁと思いました。そして、ご家族を気の毒に思いました。
著者は抗がん剤というと、髪がすべて抜けたり、激しい副作用を想像していたのかもしれませんが、医学は日々進歩しています。今どき抗がん剤は、副作用の小さいものがどんどん開発されています。そうしたことを調べもせず知ろうともせず、単純に治療を拒否し、助かるかもしれない命を捨てて死を選択するのは、やはり残念としか言いようがありません。
書店での置かれ方から判断するに、売れている本なのでしょう。でも、こういう本がたくさん売れて、内容を鵜呑みにする人もいるだろうと考えると、こわいなぁ。
自分には、著者の選択には共感できませんでした。選択してしまったことを今さら変えることはできないし、著者は選択自体を後悔はしていないと思いますが。著者に残された日々が、ご家族ともに悔いのない幸せな日々となりますように。