主に熟年以降の年齢の夫たちに向けて書かれた、妻との上手な付き合い方の指南書。
「夫にとっての家事は、出向先での仕事に似ている」など、サラリーマン族の夫たちに感覚的に理解しやすい比喩が面白いと思いました。まえがきで「家庭を持った男性の苦労や仕事のストレスなど、現代の日本人男性たちの大変さや生きづらさは、重々承知している。本来は男性の味方なのだが」と書いている割には、男性側の勘違いや思慮不足について容赦なくあげつらってあります。自分の勘違いに気づかない限り、相手とうまくやっていけるわけがないので、本の趣旨からしてそうするしかないのでしょうが。
この本を読んで、うちの父は優等生だったんだなと思いました。定年後は、好きな野球に夢中で、年甲斐もなくスライディングして骨折したりはしたけれど、毎日楽しそうに過ごしていたもの。むしろ母の方が、この本でいうところの「おばちゃん」らしさに欠けていて、うまく過ごせていない感じです。
私たち夫婦は、たぶん大丈夫。でも、掃除や洗濯はできるのだけど、料理だけは全然できない。これだけは早めに少し覚えていってもらおうと思いました。私に何かあったときにロクに食事ができなくなるのは、やはり困るから。