まだGHQの洗脳に縛られている日本人

ケント・ギルバート著「まだGHQの洗脳に縛られている日本人」を読みました。

WGIP(War Guilt Information Program)というマインドコントロールの存在を、この本で知りました。自分にはそういう偏見というか、刷り込みはないと思っていたのですが、読むうちに知らず知らずに刷り込まれてしまっていたものが少なからずあることに気づきました。かといって、この本の内容を鵜呑みにするわけでもないけど。

本職が弁護士だけあって、ひとつひとつ原典をあたりながら論理的に説明していくので、わかりやすく納得しやすいのですが、沖縄関連の話のところだけは「噂」を根拠に論じているのがいただけないと思います。

そういう気になる部分はあるものの、総じて考え方のバランスが良く、勉強になる本でした。自分でも歴史についてもっと興味を持ち、いろいろ調べてみたいと思いました。

WGIPとは無関係に面白いと思ったのは、著者が「日本の懐の深さ」の例として挙げている「軍隊での同性愛者の受け入れ可否」アンケートへの日本官僚の回答。アメリカの軍隊では同性愛が禁止されているそうなのですが、人権の観点から問題になり、諸外国での対応を調査したときの日本の回答が「今まで、問題になったことはありません」だったと聞いて思わず大笑いしたと言うのです。

自分だとむしろ、それに大笑いする感覚の方が不思議。聞かれた官僚たちも、きっと当惑したんだろうな。「そんなこと聞かれたって、考えたこともないし…。」というのが正直な感想で「別にどうでもいいよね?自衛隊組織内での問題って、もっと他に大事なことがいろいろあるよね?」と質問自体に笑っちゃうものの、正式ルートでの質問なのでむげにもできず、表向き真面目に回答したらああいう回答になったのではないかと想像してます。こういうのをカルチャーギャップと言うのでしょうね。