ネトゲ廃人

芦崎治著「ネトゲ廃人」を読みました。

6年前に出版された本なので、内容はちょっと古めでした。今だと、ネットゲームじゃなくてソーシャルゲームになるのかも。

ゲームに時間を割くあまり会社を辞め、多額の借金をしてまでゲームのアイテム購入につぎ込み、ついには失踪してしまった人の話なども出てきて、こわいなぁと思いました。「廃人」というか、依存症だった人たちへのインタビューがほとんどです。自力で依存症を克服した人もあれば、現在進行形で依存症の人の話もありました。

ひとつだけ異色だったエピソードは、17才の若さで亡くなった少年の話。足に腫瘍があり身体が不自由だったけれども、ゲームの中では自由に動け、年長のプレイヤーに混じってかわいがられて亡くなる直前まで楽しく過ごしていたという話が泣けました。そういう人もいるから、オンラインゲームが悪いとは一概には言えないのだけど、でもやはり依存症がこわいなぁと思います。

ゲーム依存になる原因には、次の3種類があるそうです。

  • ゲーム自体の面白さ
  • 周囲の環境(親の無関心など)
  • 本人の問題(鬱傾向やADHDなど)

環境と本人の問題を改善し、ゲームより面白いことを見つけたら、依存から抜け出すことができるということなのかもしれません。いずれにしても、子どものゲーム依存症が問題じゃないかと思いました。ギャンブルが法律で規制されているように、ゲームも何らかの規制が必要なのではないかと思います。

この本が売れたからか、「ネトゲ廃女」や「ネトゲ廃神」という後発本もあるようです。「ネトゲ廃神」は、本書内にも佐藤という仮名で登場する中3まで引きこもりだった少年の書いた本だそうです。が、内容的には二番煎じでしかない上に読後感も良くないとの書評が多いので、この本だけで止めておこうと思います。